デルフト
フェルメールの故郷で歴史散策
デルフトは、偉大な画家ヨハネス・フェルメールの故郷としても知られ、美しい運河と古い建物に包まれた都市です。
この街は歴史的な教会や市庁舎など、数多くの見どころが点在しており、まさに魅力溢れる古都と呼ぶに相応しいのです。
さらに、デルフト焼きで有名な陶磁器の街としても知られており、その繊細な芸術品は世界中で称賛されています。デルフトは、歴史と芸術の息吹が溢れ、魅惑的な魅力を放つ都市なのです。
【アクセス】
アムステルダムから南西に約70km(約1時間のドライブ)となります。
公共交通機関を利用すると、電車で片道約1時間で行くことができます。
フェルメールゆかりの地
デルフトは、名画「真珠の耳飾りの少女 (マウリッツハイス美術館 所蔵)」で有名なフェルメールの生誕地として知られています。
フェルメールは、1632年に生まれ、1675年亡くなるまで、ここデルフトで生涯を過ごしました。
彼が一生の間に描いた絵画は、たった33-37点の絵しか現存しておりません。
*真贋が定かでない作品もあるため、正確な数は、はっきりしておりません。
フェルメール生誕地
お父さんが営んでいた宿屋「空飛ぶ狐 (De Vliegende Vos)」でフェルメールは生まれました。
「空飛ぶ狐」があった住所:Voldersgracht 25, 2611 EV Delft
「デルフトの眺望」モデル地
フェルメールの名画「デルフト眺望」には、当時の街の様子や運河、人々の生活が美しく描かれています。
Plein Delftzicht, 2611 AZ Delft
フェルメールセンター(Vermeer Centrum Delft)
フェルメールが1661年から2年間理事を務めたオランダ画家ギルド(労働組合)の「聖ルカ組合」跡地にあります。
「フェルメールの光」を再現した窓、「真珠の耳飾りの少女」「牛乳を注ぐ女」「デルフトの眺望」を描いたアトリエも再現されています。
フェルメールセンター
https://www.vermeerdelft.nl/nl/
最新情報は、ウェブサイトをご覧ください
歴史的発見!
長年の謎だった名画「小路」が描かれた場所が判明!
名画「小路」は、デルフトのどこで描かれたのか?
これまで多くの人が「小路」が描かれた場所について、様々な仮説を立てましたが、どれも決め手に欠き、長年の謎となっていました。
この謎を解いたのは、アムステルダム大学の美術史学教授「フランス グリゼンハウト氏(Frans Grijzenhout)」。
2015年11月19日から2016年3月13日、アムステルダム国立美術館で行われた展覧会で、フランス教授の研究結果が発表されました。
「小路」の場所を特定する決め手となったのは、17世紀の史料「デルフト運河浚渫台帳」という資料でした。
「デルフト運河浚渫台帳 」とは、「デルフト住民が支払った税金額帳簿」で、当時、デルフト市の税金は、家の間口の広さに基づいて算定されていました。
この台帳には、当時のデルフトの運河沿いに並ぶ全ての家屋と、それらの間にある全ての通路幅が、15 cm単位の正確さで記されていたのです。
教授は、
これが「小路」を解く鍵になるかもしれない!
と思いつついたのです。
フェルメールは、科学者的マインドを持ち合わせていたそうで、絵描く物(地球儀、机上の書物、壁の地図など)は全て実在し、その寸法も形状も正確に実物とほぼ同じに描写されていることがわかっていたのです。それ故、
「小路」の風景も、実在の場所をそのとおりに描いたに違いない!軒
とグリゼンハウト教授は考え、彼は「小路」の絵の壁やレンガを測量、当時のレンガ寸法から、家の間口を計算。
その寸法で2つの狭い路地を挟んで並ぶ場所で、その当時建てられた建物は、史料上、たった1軒しかなかった事を発見しました。
更なる調査で、更に古い地図と照合すると、そこはなんとフェルメールのアトリエ近くで、しかもフェルメールのおばさんのお住まいだったのです。
フェルメールの身内も斜め向かいに住んでおり、
彼がその風景を描くにあたる理由は、十分で間違いない!
という事が証明されました。
フェルメールの「小路」(モデル地)
Vlamingstraat 40-42, 2611 KX
新教会
デルフトの街の中心にそびえ立つ象徴的な建築物新教会。
新教会は、ゴシック様式の美しい教会であり、「オランダ王室の埋葬地」としても知られています。
教会に入ると、新教会と王室のつながりを知ることができ、壮大なオルガンや彫刻、美しいステンドグラスなども見ることができます。
デルフトの心臓
新教会のすぐ近くにあるデルフトの心臓(Blue Heart of Delft)。
青いハート型のオブジェは、デルフト中心であることを示しています。
旧教会
デルフトで最も古い教会、旧教会。
よく見ると(よく見なくても)、地盤沈下により、塔がかなり傾いているのです。
そのため、オランダの「ピサの斜塔」とも呼ばれています。
フェルメールが眠る教会としても有名な教会でもあります。
新教会、旧教会ともに、内部見学が可能です。
https://oudeennieuwekerkdelft.nl/
最新情報は、ウェブサイトをご確認ください。
市庁舎(Stadhuis)
13世紀に建設され、1618年に焼失後、設計者ヘンドリック・デ・カイゼルによって、17世紀に再建された市庁舎。
裏側にある「Het Steen」と名付けられた塔は、かつては牢獄として使用され、オランダ建国の父“ウィレム1世”を暗殺した 「バルタサール・ジェラード」もここに収監されていました。
フェルメールは、この市庁舎で妻カタリーナと「結婚の誓いを立てた場所」としても知られています。
市庁舎(Stadhuis Delft)
Markt 87, 2611 GS Delft
デルフト焼き
オランダの美しい伝統的な陶器 デルフト焼き。
デルフト焼きは、デルフトという都市から誕生した至高の芸術品です。
ロイヤルデルフトでは、厳選された素材と高品質な製作工程を守りながら、耐久性と美しさを追求した陶磁器が作り出されています。
工房では、職人たちが、手彫りや絵付け技術を駆使し、豊かな色彩と緻密なディテールを作品に表現しているところを見学することができます。
ロイヤル・デルフト
https://museum.royaldelft.com/
デルフトは、フェルメールを愛する方はもちろん、芸術、宗教、そして陶器の伝統を結集した魅力的な街なのです。
デルフトを訪れ、フェルメールをより身近に感じてみませんか?